Complete text -- "風がなくても広がる「拡散」"

23 March

風がなくても広がる「拡散」

化学種が気体中でどう広がるか?
自分の仕事に直接関係する話なので,原発事故の直後から気になっていましたが,予想通り広範囲に拡散しているようです.

ニュースでは「風向き」をしばしば取り上げていますが,これは,「移流」と呼ばれる輸送になります.
一方で,ほとんど取り上げられないのが「拡散」で,風がなくても広がって行きます.
一度に高濃度のまま運ばれ易いのは,移流によるものなので,主にこちらが取り上げられるのですが,拡散は,風向きに関係なく,濃度の高いところから低いところへと広がる現象で,原理的に避けることが出来ません.

ヨウ素よりも半減期の長いセシウムが首都圏まで広がっていることが判明したことで,拡散の影響も無視できないレベルになっていると予想されます.
首都圏では,すぐにパニックになる方が大勢いそうなので,今後もしばしば騒がれることでしょう.

保安院の web を毎日チェックしていますが,1〜3号機の原子炉内の水位は依然として低いままです.
恐らく,燃料棒の上半分は,ほとんどが損傷を受けているでしょう,残念ですが.

あまりいいシナリオは見えてきませんが,今後も,現場で努力されている方々を応援したいと思います...


22:09:31 | dk | |
Comments

Junko M wrote:

Dear dk

お久です!
ニュースで流れる一連の発表を聞いても
理系のヒトと文系の人ではかなり受け止め方が違うよね。

パニックになる必要は無いけど、思いのほか悪いシナリオが見えてきた気がして、今現在なすすべが無いのがもどかしいな〜

dkの原発に対する考え方
参考になります!

とりあえず 元気でね
03/26/11 23:42:30

dk wrote:

お久しぶりです.

イタリアから戻って,まだまだ楽しい気分に浸っていたかった(?)頃の出来事でしたね,Junko さんにとっては.

僕は,経営者は常にいいシナリオとその逆を考えて行動する必要がある,と思っています.
そして,残念なことに,東電は悪い方のシナリオに近い道を選んでしまいました.

ところで,英語で,こんな表現がありますよね.

I have no time to get depressed!

I have は,Japan has に置き換えられるでしょう...
03/28/11 22:50:25
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