Complete text -- "素戔嗚尊(すさのおのみこと)"

25 January

素戔嗚尊(すさのおのみこと)

この小説は,なんと35節もあります! 読んでいる途中「やけに詳しく描写している?」という部分もあれば,「なんか,手抜き?」という部分もある,ちょっと変わった小説です.主人公は,力持ちには違いないんですが,正確の良い部分とそうでない部分を持ち合わせていて,でも,どこか実際にいそうな人物像を思わせるような,そんな印象を持たせます.

主人公が美男子ではない点は,残念な事に自分にも共通するので,なんとなく「確かに!」とか「ん〜,分かる!」とか,色々と共感させる点もあります.芥川自身は,自分を表現しようとしているわけではないにしても,何処か,ウブな自分を重ねているようにも読めますね.

読んでいる途中,「美女と野獣の日本語版?」かと思ったりもしましたが,35節を読み終えて,「え〜,これでお終い !?」という終わり方で,納得行かない気がして次のタイトルを見ると,「老いたる素戔嗚尊」と続いているではありませんか!

芥川は,現実にありそうな話も描く一方で,小説の中で子供のように遊ぶ一面もあるなぁ,などと今更のように感じながら,彼がどんな心境でこの小説を書いたのか,知りたくなる,今日この頃です...


23:59:26 | dk | |
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