Archive for March 2011

24 March

初フォローは 東電

Twitter,特にフォローしたい人がいるわけでもないのですが,大震災が起きる少し前に,将棋(タイトル戦)の情報をフォローしてみようと思って登録しました.

結局,忙しければ見る時間もないので,事実上使わないなぁ...と思っていた頃に,大震災.

そして,輪番(計画)停電が始まり,暫くすると東電が停電に関する「つぶやき」を開始.

東電をフォローするなんて,夢にも思ってませんでしたが,停電情報を確認するには少しは役に立ちそうなので,フォローすることにしました.

フォローを止められる日は,一年後くらいでしょうか.
一日も早く,フォローしなくて済む日が来て欲しいものです...


22:25:59 | dk | No comments |

23 March

風がなくても広がる「拡散」

化学種が気体中でどう広がるか?
自分の仕事に直接関係する話なので,原発事故の直後から気になっていましたが,予想通り広範囲に拡散しているようです.

ニュースでは「風向き」をしばしば取り上げていますが,これは,「移流」と呼ばれる輸送になります.
一方で,ほとんど取り上げられないのが「拡散」で,風がなくても広がって行きます.
一度に高濃度のまま運ばれ易いのは,移流によるものなので,主にこちらが取り上げられるのですが,拡散は,風向きに関係なく,濃度の高いところから低いところへと広がる現象で,原理的に避けることが出来ません.

ヨウ素よりも半減期の長いセシウムが首都圏まで広がっていることが判明したことで,拡散の影響も無視できないレベルになっていると予想されます.
首都圏では,すぐにパニックになる方が大勢いそうなので,今後もしばしば騒がれることでしょう.

保安院の web を毎日チェックしていますが,1〜3号機の原子炉内の水位は依然として低いままです.
恐らく,燃料棒の上半分は,ほとんどが損傷を受けているでしょう,残念ですが.

あまりいいシナリオは見えてきませんが,今後も,現場で努力されている方々を応援したいと思います...


22:09:31 | dk | 2 comments |

22 March

見捨てられない 東電...

大学の研究室に,東電を志望している学生がいます.
私のようなおじさんではなく,正真正銘のフレッシュな学生.

今日,久しぶりに研究室で会い,近況を簡単に話しました.そして,現状の話になり,
「(東電の)賠償金,想像もつかないね...」
といった話をした後で,
「来年(東電を)希望してるんだよね?」
って,改めて聞いてみたら,
「はい」
と,しっかりした返事.
彼は,こんな状況になった今でも,東電に入社して,自分の出来ることをしたい,という強い意志を持っていました.


彼の話を聞いて,東電はまだまだ救われているなぁ,と思いました.
現地で必死に頑張っている社員や消防庁・自衛隊の方々は,甘い判断を下した恐らくは経営陣の尻拭いをしている,と受け止められるにもかかわらず,です.

来年の新卒採用に大きな影響が出るのも間違いないと思いますが,今後の東電を救うためにも,彼のような若者に是非頑張って欲しいと思います...


22:53:42 | dk | No comments |

21 March

「ただちに健康に影響ない」をどう受けとめる?

地震と原発に関するニュースがかなり減って来ました.
近所のスーパーでは,パンやインスタントラーメン・カップラーメン等が依然として限られている一方で,バター等,幾つかの食品は普段よりも多く残っているものも見られます.
買いだめした人達は,どうしてるんでしょう...?

ニュースで何度も聞く言葉「ただちに...」は,ただちに聞き飽きることはありませんでしたが,そろそろ聞き飽きてきそうです.

気にし過ぎるとキリがないし,光化学スモッグと比較すればまだかわいい場合もあるでしょうが,知らない人にとっては,報道されただけで敬遠する人がほとんどでしょから厄介な問題です.
うがい薬に関するデマは,誰が言い始めたのかは知りませんが,信じる人も大勢いたようですし.

首都圏では,多くの人が過剰に反応する傾向があるので,放射線量を開示するだけでなく,値をどう受け止めるかについて,正しい知識を啓蒙する必要があります.
なかなか名案は浮かびませんが,思いついたら,是非提案したいですね...


22:10:34 | dk | No comments |

20 March

地震後,ABC News の報道は...

ここ暫く,海外のニュースは少ししか見ていませんでした.
11日以降の ABC World News の podcast を一通り見てみたのですが,日本と同じく,1週間は special edition としてトップニュース扱いでした.
しかし,その伝え方と内容は,日本とは色々と異なっているようです.

まず,Disaster in the Pacific という形で,地震に関しては,太平洋でおきた災害として伝えています.
アメリカの西海岸まで津波が押し寄せているので,ある意味当然でしょう.
また,11日の時点から,日本の原子力発電所で起きた問題に関して,予想される最悪のシナリオを解説しています.
その一方で,対岸の火事とは言えない,という意識もつよく,米国内の原子力発電所の安全性や,福島原発からの放射能がアメリカまで届く可能性についても早いうちから取り上げています.
地震対策については,日本が世界で最も進んでいますが,リスク管理については,残念ながら遅れをとっています.

被害や支援活動の詳細は,日本ほど詳しくは伝えていないようですが,原子炉が受けたダメージについては,第何号炉の燃料棒は30%が損傷したと考えられる,のように,定量的な解説しています.
日本では,自信のない数値は極力出さない傾向にありますが,データ分析重視の欧米では,推測においても数値データがよく出てきます.

避難区域を 80km(50マイル)とした点についても,自国で同じ区域を指定した場合,その範囲に入る大都市が少なくないことも取り上げていました.

専門家の意見も幾つかあるようですが,原子炉の損傷については,日本政府や原子力安全・保安院が国内向けに報道している内容と食い違っている点も,確かにありそうです.

ABC News も,TOYOTA 車の安全性に関する報道では行き過ぎも指摘されており,100% 信用するのは考えものですが,NHK が紹介する海外の報道に関しては,ABC News の報道を一部取り上げており,信頼性は比較的高いと思われます.

原子炉の損傷の程度を正確に把握できるようになるのは,冷却作業が順調に行っても相当先の話になるでしょうから,現時点では誰にも十分把握できていないのでしょう.
しかし,保安院の web では定量的に説明している部分も少なくない一方で,TV の会見では歯切れの悪いことが多く,聞き手にとって印象が悪いのは否めません.


ちなみに,決死の覚悟で冷却にあたるミッションには,suicide mission (死を覚悟の作戦)という言葉が使われています.
今後のシナリオが,最悪の状況から脱することを願っています...


18:03:50 | dk | No comments |