08 January

最近読み終えた本:戦いすんで日が暮れて

昨年末,ようやく読み終えた本が,「戦いすんで日が暮れて
思い出して今日,残りの解説にざっと目を通しました.

大吉のおみくじを引く数日前に読み終えたこの本のお話には,夫の会社が倒産して多額の借金を負い,奮闘する女史の姿が描かれています.
佐藤愛子さん御自身の体験が元になっている,とのことで,痛快というかなんというか,たくましさを感じざるを得ません.
逆に,日本の男が情けない!,という面も見え隠れしているような...

文庫本の中には,8つのお話が含まれていますが,この「戦いすんで日が暮れて」だけでなく,最初の3本立て続けに,夫の会社が倒産...した話が並んでいます!
こんな本,なかなか探しても見つからないですけど,読みながら笑ったり,なんだか恥ずかしい気がしたり,色々と考えさせられる,庶民向けの本で,読む価値のある本です.
会社が倒産する話は,自分にとっても他人事ではありませんし.

リーマンショック以来,この2年余りで,いったいどれだけの会社が倒産したのでしょうね.
ところで,倒産しない会社に残っている人が lucky で,倒産した会社を経て今に至っている人が unlucky とも言えないのが,現実ではないでしょうか.
より厳しい現実を乗り越えた人の方が,タフで逞しくなっているかも知れません.

ちなみに,今年になって,新しい本ではなく,以前読んだ日野原先生の「生きるのが楽しくなる15の習慣」を読み返しています.
100年近く生きている日野原先生は,まさに生き字引のような方で,「歩く温故知新」とも言えるようなお方です.
「これしきのことに負けられない」という話が出てくるところでは,「戦いすんで...」を読んでいる時と同じような気がしてきます.
作者も本の中身も全く違えども,芯の強さ,という点で,見習うべきところは同じです.

インターネットで得られる情報は,たとえ貴重であっても,あまり有り難みを実感しないことが多いのですが,本を読んで得られる印象や感動は,より有り難みがあるようです.
電子書籍は,便利ですが,果たして同じような印象が残るのでしょうかね...


23:13:59 | dk | No comments |

21 February

それは風流

オリンピック選手にも,自分の競技が始まる直前に,何かに祈るような仕草を見せることが多いように思います.
これは,日本人も例外ではないでしょう.

読み掛けの本(多生の縁)の中に,『どんな時にも「風流だね」』というお話が出てきますが,この言葉は,およそ全ての選手,色々な場面に当てはまりそうな気がします.

こんな例が紹介されています.

 禅のお坊さんはひねくれていて,たとえばこのテーブルの角に
 膝をぶつけたりすると,「痛い!」と言わずに
 「風流だね」って言うんですよ...

その意図するところは...

 全体としては成長に向っているんだと信じられれば,
 もっと酷い災難に遭っても
 それは風流なんですね

と.

 風流ならざるところもまた風流

とも言うそうなので,極端に言えば,どんな時にも風流で片付けられてしまいそうですが,遠回りしているようでも,

 人生に無駄はないし,回り道もない

と考える向きが良いようです.


オリンピックに出てメダルを取れた選手も,出ることすら叶わなかった選手も,頑張った後で「風流だね!」って言えたら,それこそ風流なのでしょう...♪


16:52:10 | dk | No comments |

09 January

あれもこれも,多生の縁 ...?

昨年秋(?)から年始に掛けて,出張や帰省で電車に乗っている時間を利用し,山田詠美さんの「風味絶佳」と,川上弘美さんの「センセイの靴」を読みました.
なんだか随分と,時間掛かりましたが...


風味絶佳」には,6つの異なるお話が詰められています.
それぞれ,普段は注目されることのなさそうな職業の方に着目したお話が揃っていて,その中の一つに,風味絶佳,が収められているのですが,キャラメルの包みにある一言がタイトルになっているとは,読むまで気がつきませんでした.
昔から〜の,スイーツの一つですね.

「風味絶佳」は,なにか,山田詠美さんの熟した一冊,という感じがしました.
若いうちは,こういう作品は書きたくても書けないのではないでしょうか.
少し間をおいて,もう一度読んでみたい気がします.

センセイの靴」は,僕が知らないだけだったのですが,ドラマにもなってたんですね,
ちょっと,あり得ないような話ですが,そんな話があったら...とオジサンが妄想してしまいそうな話の一つでしょう.

さて,本を買っただけで,まだ読んではいないのですが,「多生の縁」と題する本を今日買ってきました.
「センセイの靴」を読むきっかけは,ポンちゃんこと山田詠美さんの本で紹介されていたから,なのですが,「多生の縁」は,誰かに紹介されていたわけではありません.
ただ,「センセイの靴」の中に出て来た一言,でした.

多生の縁,という言葉,ネットで検索すると,「他生の縁」だったり「多少の縁」だったり,誤字の代表格の一つみたいで,漢字テストの問題にも出題されるようです.
僕も,気をつけないと,うっかり間違えてしまいそうですね.

さて,「多生の縁,正しい意味はなんだったかなぁ...」と思って調べているうちに,「多生の縁」なる本を見つけ,読んでみよう,と思った次第.
以前なら,本屋で棚を眺める視界に入っても,そのまま左から右へと通り過ぎていった本でしょうけど...


仕事って,色々な人のお世話になりながら進めるものだと切に感じる昨今だからこそ,こんなタイトルが気になるようになったのかも知れません.
うちで読めばいいのですが,これもまた,電車のお供の一冊にしようと思うので,読み終わるまでには結構時間が掛かるでしょう...


23:11:49 | dk | No comments |

24 March

+α(プラスアルファ)

ヒヤヒヤする場面も多かった WBS,見事連覇出来て良かったですね!
明るい話題が少ない中,今回の嬉しい news がどん底の景気にもいい刺激になって欲しいものです.

さて,日野原重明氏の生きるのが楽しくなる15の習慣を一通り読み終え,見習うべきことが沢山あるなぁ,とつくづく思いましたが,特に最後の方で,ビックリするお話が紹介されていました.
日野原氏は,なんと,よど号ハイジャック事件に巻き込まれた方々の一人だったんだそうです.

羽田を出た飛行機は,福岡空港で年配の人と子供を降ろした後,次の目的地へと飛び立ったのですが,その飛行機の中で,犯行グループが「希望者には読書を許す」と言って,赤軍の機関誌,金日成の伝記,ドフトエスキーの「カラマーゾフの兄弟」,その他,10冊ばかりの本の名前をあげました.
そして,「読みたい人は手をあげなさい」と言われて,日野原氏だけが手をあげて「カラマーゾフの兄弟」を伝えたところ,5冊ばかりの文庫本を手渡されたそうです.

韓国の金浦空港で4日間拘禁された後,ようやく開放されたそうですが,それまでの間,読書が出来たことで生きる希望を持ち続けることが出来た,のだとか.
犯人は全員ダイナマイトを持っていて,いざとなれば自爆する覚悟でしたから,ストレスや恐怖心は並大抵のものではなかったことでしょう.
しかし,そんな状況下でも,読書ができたことが救いとなったそうです.
何かの災難にあったとき,自分の不運を呪うだけでなく,その状況の中で何ができるかを考えるくせをつけておくと,どんなときでも,人生悪いことばかりじゃない,と思われたそうです.
そして,後になって気付かれたそうですが,体験は,それがどんな種類のものであれ,必ず自分の人生の糧になると考える習慣を身につけることが大切,と括られています.

イチロー選手も,途中で心が折れそうになった,ということを先日白状していましたが,希望を持って前進するプロセスことが大事,ということを本やスポーツが教えてくれることは多いですね.
自分も実践できるように努力しないと,と思った一日でした...


22:04:44 | dk | No comments |

17 February

色んな可能性を秘めた卵,立ちはだかる壁

エルサレム賞の授賞式で村上春樹さんが述べたスピーチは,TV で少しみたのですが,小説家としての才能を見事に発揮したスピーチだったようですね.

最初から最後までを通した文章は,後で何処かに掲載されるのかも知れませんが,訳をつけて紹介されている方の blog を知りました.

卵と壁(修正版)

村上春樹さんの本は,個人的にはちょっとしか読んでいませんが,素晴しいスピーチに,本以上に感動した方も多いのではないでしょうか.
市民を巻き込む戦争は,一日も早く終わって欲しいものです...


19:30:31 | dk | No comments |