11 October

政治家は,昔から物わかりが好くない?

芥川龍之介氏の全集は,なかなか進んでませんが,少しだけ読み進めました.
「俊寛」という題の話の中で,ちょっと面白い文章を見つけました.

「...。何故かと言えば俊寛は、浄海入道より物わかりが好い。物わかりが好ければ政治なぞには,夢中になれぬ筈ではないか? 理非曲直も弁えずに、途方もない夢ばかり見続けている、...」

時代は変わっても,日本で政治をとる人達の性質って,あまり変わってないのかなぁ,と思って笑ってしまいました.

それにしても,以前は通勤電車の中で文庫本を時々読んでましたが,通勤しなくなった今,本を読む時間が逆に減っています.部屋の片付けが一段落したら,もっと本を読む時間を増やすことにします...


19:46:00 | dk | No comments |

04 May

お律と子等と

全集もようやく No.4 に入ったものの,読めない漢字や意味の分からない言葉が多く,英語以上に日本語を知らない事実に少しクラッとしていますが,ともかく読み進めてみようと思って少しずつ,電車の中とかを利用して読んでいます.

さて,このタイトル,いかにも庶民的なもので,読んでみても,まさに一家族の中のお話.お律さんという病に倒れた母親とその家族を小説にしたものです.最近の小説は一部の作者を除いてほとんど読んでいませんが,こういった家族的な内容の小説は,今はほとんど無くなってしまったように思います.

芥川龍之介の作品は,華々しい恋愛小説でもないし,結末が happy end で終わることはむしろ少ない(というか,ほとんど無い?)一方で,人の内面については,良い面も悪い面も,全てさらけ出しているような気がしています.自分に当てはまることも多く,「時代は変わっても.人って,それほど変わってないなぁ」と思うことがしばしばあります.

茂木さんの脳に関する本には,有意義に勉強する方法を考えさせてくれる具体的な提案が色々書かれていますが,小説は,何かを解決する為に書かれているわけではないので,意図している内容が全く異なると思いますが,自分の場合,何かに気付いたりすることが読む目的の一つになっている?,のかなぁ,と思います.

本を読むスタンスを意図的に変える必要はないのかもしれないけれど,視点をもう少し広げられると,また別の読み方が出来るのかも知れません.ともあれ,まずは,一度通して読んでみて,後で読み返してみようと思っています...


12:54:58 | dk | No comments |

25 January

素戔嗚尊(すさのおのみこと)

この小説は,なんと35節もあります! 読んでいる途中「やけに詳しく描写している?」という部分もあれば,「なんか,手抜き?」という部分もある,ちょっと変わった小説です.主人公は,力持ちには違いないんですが,正確の良い部分とそうでない部分を持ち合わせていて,でも,どこか実際にいそうな人物像を思わせるような,そんな印象を持たせます.

主人公が美男子ではない点は,残念な事に自分にも共通するので,なんとなく「確かに!」とか「ん〜,分かる!」とか,色々と共感させる点もあります.芥川自身は,自分を表現しようとしているわけではないにしても,何処か,ウブな自分を重ねているようにも読めますね.

読んでいる途中,「美女と野獣の日本語版?」かと思ったりもしましたが,35節を読み終えて,「え〜,これでお終い !?」という終わり方で,納得行かない気がして次のタイトルを見ると,「老いたる素戔嗚尊」と続いているではありませんか!

芥川は,現実にありそうな話も描く一方で,小説の中で子供のように遊ぶ一面もあるなぁ,などと今更のように感じながら,彼がどんな心境でこの小説を書いたのか,知りたくなる,今日この頃です...


23:59:26 | dk | No comments |

10 January

あの頃の自分の事

このタイトルは,全集の No.2 に含まれるものですが,書き出しがちょっと面白いんです.

「以下は小説と呼ぶ種類のものではないかも知れない.そうかと云って,何と呼ぶべきかは自分もまた不案内である」

これも小説家のテクニック,と言えばそれまでかもしれませんが,実際,龍之介自身,小説らしくない小説として書く事を楽しんでいる節がある,と思っています.

テクニックは,ある程度は学ぶことが出来る類いのものもあるかも知れませんが,洞察力や記憶力は,その人の力量が示される部分でしょう.洞察力も,努力すればある程度は培うこともできそうですが,記憶力,これについては,全く自身がありません,はい.

でも,小説家になれないからと言って,小説家になることを諦める理由にはならないと思っています.この小説の最後は,こう締めくくられています.

「自分はアスファルトの往来に立ったまま,どっちへ行こうかなと考えた.」

これなら,僕にもできますから...♪


22:55:42 | dk | No comments |

09 January

僕は小説家になれない

昨日のうちに読み終えられなかった「秋」という作品を,帰りの電車の中で読み終える事ができました.そんなに長い作品ではないんですけど,眠いとサボってしまう事も多くて.

姉妹が主人公のこの作品を読み終えて,ふと,龍之介は「女性の心理をどうやって分析してきたんだろう ?」と思いました.電車を降りてからうちに戻るまでの帰り道,前を見ているような見ていないような感じで足に任せるままに歩きつつ,「女性の小説家は,どうやって男性の心理を分析するんだろう ?」「男性と女性と,異性の心理を分析するのは,どちらが得意,とか,あるんだろうか ?」等々.

自分が小説家になったら,と思う事は時々ありますが,改めて考えてみると,「女性の心理を分析するのは苦手だよなぁ...」と思えてきて,「そりゃ〜,モテないわけだ!」と,いつの間にか一人で納得してしまいました.

「ん〜,このままじゃいかん!」と思ってはいますが,「世の中に半分いる女性の心理が理解出来ないなんて,なんて情けないんだろう...!」って気がしてきます.小説家になれなくてもいいから,もっと人の気持ちが分かるようにならないといけませんね,ホント♪


00:14:00 | dk | No comments |