16 July

浮島太陽光発電所 見学 - その2

この施設の屋上にも,何枚かの太陽光発電パネルが設置されています。
海の近くは,塩害が問題になり易いのですが,特殊なフレームやコーティングが施されているそうで,塩の対する対策は万全だそうです。

屋上に設置されているソーラーパネル


それにしても,天気にも恵まれて,海の眺めが素晴らしく感じられます。
ちなみに,風が強いので,風車を建てて風力発電も出来そうな立地条件ですが,今のところ風車を建てるような話しはないとのこと。


暫く屋上から眺めた後,降りてすぐ近くまで見に行き,10度に設置されたパネルを横から眺めてみます。
本来はもっと傾ける方が太陽に向いて効率が良さそうなのですが,太陽光をまともに受けてパネルの温度が上がると,電力変換効率が下がってしまい,かえって逆効果になるため,色々と検討した結果,10度に決められたそうです。
確かに温度が上がり過ぎるのは問題で,予想外にその影響が大きいようです。
もっとも,パネルが黒っぽいこともあり,放射率が高そうですから,なるほど納得の行く話。

最初の建物の中に戻り,建物の中にある展示室を案内して下さいました。
ここではある程度自由に歩き回れたのですが,ガイドのおじさんに色々と話を聞きながら,2種類のパネルの前で色々と質問させて頂きました。

シャープ製と京セラ製の太陽光パネル


左が単結晶シリコンを使ったシャープ製の太陽光パネル,右が多結晶シリコンを使った京セラ製の太陽光パネルです。
シャープ製のものは,角がとれたような形になっていますが,これは元々円柱形状をしているインゴットから出来るだけ広く取り出すためですが,多結晶シリコンの場合は,元々四角い坩堝の中で成長させるので,四角く取り出せます。
関連する仕事に携わっていながら,いざ実物を見ながら話を聞くと,百聞は一見にしかず,という言葉が思い出されます...

ちなみに,浮島の発電所ではシャープ製の単結晶シリコンが使われていますが,扇島の発電所では,京セラ製の多結晶シリコンが使われています。
PCS(パワーコンディショナー)を請け負った会社は,浮島が東芝三菱電機産業システム,扇島が日立製作所と,それぞれ違っています。
突っ込んだ質問はしませんでしたが,それぞれ違った会社が違ったメーカーのパネルを使っているのには,政治的な理由も背景にあるのかもしれません。


最初の部屋に戻り,質疑応答が引き続き行われました。
若い学生の方々は,質問の内容も若くていいなぁ...と思いつつ,後ろの方で聞いていました。
まぁ,自分も以前は,同じようなもんだったんでしょう。

研究室のテーマとは直接関係ありませんが,今回の見学は,非常に参考になりました。
やはり,自分の目で実物を見る,ということはとても重要です。
今後も,似たような機会があれば,是非参加してみたいと思います...



22:27:00 | dk | No comments |

15 July

浮島太陽光発電所 見学 - その1

先日,大学のB4以上を対象にした太陽光発電所見学というのがあり,興味があったので,私も参加させて頂きました。
先生も含め,総勢30人くらいでしょうか。

訪れた場所は,羽田空港のすぐ西側にあたる浮島。
浮島,という名前自体は以前から聞いたことがありましたが,訪れたのは今回が初めてです。

ここは,川崎市が埋め立てて出来た場所だそうで,焼却灰を利用して埋め立てている関係で暫くは住宅地としての利用が許されておらず,主に工業施設が誘致されているようです。
その一角を,太陽光発電に利用し,平成23年8月から運転を開始しています。
基礎工事をかなり深くまでやっているらしく,昨年の大震災の時に破損等の影響もなく,また,液状化現象も起きなかったそうです。
ただし,地盤沈下だけは想定内の範囲で生じていて,階段が二つ「追加」されている,というお話でした。


研修室のようなところで見学コースの案内を一通り聞き,ゴミ処理(リサイクル)施設の屋上へと向かいます。
なるほど,ここから眺める太陽光発電用のパネルは,なかなかの広さです。

浮島太陽光発電所のパネル


敷地面積は東京ドーム 2.3個分,パネルの総設置枚数は 37,926枚,設計上の最大出力は7,000 kW で,一般家庭の2,100軒分の電力をまかなえるそうです。
2,100軒分,という数字は,川崎市民全体の比率から考えればかなり小さい数字で,太陽光発電に,いかに広い面積が必要かを実感するのには十分な数字でもあります。


ちなみに,すぐ向こうが羽田空港ということもあり,数分に一度は飛行機が飛び立って行きます( D 滑走路へと到着してターミナルに向かって地上をゆっくり移動する飛行機も見えます)。

屋上から眺める太陽光パネルと飛び立つ飛行機



施設内に見える連系変圧器の中で,二段階で66,000 V まで昇圧され,地下ケーブルを介して変電所へと供給されているそうで,基本的には全て売電されるそうです。

私以外の学生さんは,皆さん電気を専門にしている人なので,興味津々という感じで説明に耳を傾けています。
私も,話自体は興味深く聞いていましたが,眺めが思いのほかいいので,暫くすると視線の先は海の方だったりします...


18:22:09 | dk | No comments |

27 February

頑張れ 日本の半導体!

夕方「エルピーダ更生法申請」のニュースを見て,ついに来たかぁ...と,首が傾いてしまいました.

以前「プロフェッショナル」でも紹介されたことのある坂本社長,一時は立て直しに成功したものの,DRAMの大幅な下落と厳しい円高には,白旗を上げざるを得なかっようです.

世界第3位の会社ですら,生き残りが難しい今の世の中,製造業で生き残ることが如何に難しいかを象徴しています.
そして,自分の会社が今後も生き残るには,よりスキルアップが求められることも確かですね.

限られた human resource を如何に確保して,それをどう生かすか.
もっと真剣に考えなくてはいけません...


23:01:05 | dk | No comments |

08 April

首都圏で大停電が起きる可能性

先ほどの大きな揺れで,東北地方の広い範囲で停電している,とのこと.

原子力発電所は別としても,火力発電所を含む多くの発電所が一斉にストップすると,使用電力がさほど大きくない状況でも結果的に大停電が起きる,という当たり前のことに,改めて気付かされます.

夏に向けての節電が様々な方法で検討されていますが,もしも地震で主力の発電所が複数ストップすれば,首都圏でも大停電は免れないことになります.

今後は,懐中電灯の類いを携帯することも考える必要がありそうです...


02:00:06 | dk | No comments |

04 April

はるか向こうでミルクを心配するアメリカ

日本政府は,いまだに避難区域を変更していないようですが,広げるタイミングを完全に逃しています.

自主的に避難する人がいるのも当然で,太平洋を超えたアメリカでは,自分達が飲むミルクに放射性物質が混入することを,すでに心配し始めているくらいです.


低レベル汚染水の放出が始まりましたが,トレンチにたまった高濃度の汚染水が見つかった時点で,こうなる事態は見えていました.
専門家の人達も,当然気付いていたはずで,とうとう来たか,という感じでしょう.

今回のような,分かっているけど仕方が無い (>.<) ,という状況は,残念ながら始まったばかりで,いずれ,もっと高濃度の汚染水を放出せざるを得ない状況がくると予想しています.

事故が発生した直後に,廃炉を前提とした対処に着手していれば,ここまで酷い状況にはなっていなかった可能性が高いだけに,人災,と言われても反論の余地はないでしょう.

当面,大気中よりも海水を介しての汚染が問題視されそうですが,原子炉を冷却する循環系を復帰させることができなければ,大気中からの拡散の方がより大きな問題となり,事態が更に深刻になる可能性も残っています.
しかし,それを防ぐためには,放射線の強い原子炉近くの作業が不可欠ですから,更なる人的犠牲の覚悟が必要となってしまいます...


それにしても,現場で戦っている方々の正義感・責任感には,本当に頭が下がります.
アメリカやフランスのロボットがどんなものか,詳しくは知りませんが,日本は今からでもその技術を学び,遠隔操作できるロボットの開発にも力を入れて欲しいです...


21:34:48 | dk | No comments |