Archive for 28 January 2012

28 January

間違えた方が負け...

第61期王将戦の第2局,佐藤康光九段が逆転で久保利明王将から2勝目をあげました!
第1局に引き続き,佐藤九段の指し回しは,アマではちょっと真似出来ない,大局観のセンスが問われる内容でした(プロもあまり真似したがらないでしょう).

佐藤九段の将棋は,基本的に型にこだわらないところが魅力で,囲いも不十分なまま中盤戦に入ることが珍しくありません.
第1局は,中飛車に対して中央を王で受け,アマのみならず,プロの観戦者達を唸らせました.
第2局も囲いらしい囲いもしないまま,一時は受け一方になっていましたが,終盤でひっくり返してしまいました.

人の将棋は心理面での作用も大きく,途中で差がついても,時間に追われて正着をさせない方が負けてしまうことはよくあります.
その一方で,将棋ソフトの場合は,可能性のある手を探して評価する,という繰り返しで,微妙に最善ではないとしても,大きく間違えることはありません.
先日,対ボンクラーズの将棋電王戦で米長さんが負けてしまいましたが,一つ間違えると,プロでも勝てないのが今の将棋ソフトの実力で,いまや驚くには値しません.
プロ棋士といえども生きた人間ですし,勝負は,どちらか強いかというよりも,どちらが間違えないか,で決まると言っても過言ではないでしょう.

従って,プロ棋士が将棋ソフトに勝つ為には,中盤で若干リードしておくことがほぼ必要条件となるでしょう.
そういう意味では,囲いがそれほど頑強ではない米長さんの玉は,将棋ソフトはむしろ歓迎するところで,ソフトの評価関数が局面を判断しにくい穴熊が唯一の対向手段になる,そんな時代が近いうちにやってくるかも知れません.
木を見て森を見ず,になってしまいがちな自分の仕事・学業にも,通じるところが少なくありませんせんね...


14:53:38 | dk | No comments |