Archive for September 2012

30 September

出張の合間に:東北編(2012年9月)その6

日和大橋の方角を見ると瓦礫の山が残っていることが,よ〜く分かります。
津波の被害にあう前の様子は,YouTube 等で探すと出てくるようですが,以前の様子とはかなり違っているようです。

日和山公園から見た日和大橋の方向


公園を下って行くと,お墓が沢山見えてきます。
西光寺,というお寺があるのですが,秋分の日(116年ぶりに 9/22)ということもあり,お参りに来ている方も多く見られました。

西光寺


どういうルートを通って海に向かおうか...?と思いつつ,小学校が目に留り,川沿いではなく,そちらの方へと足が向かいたがったので,足の向くままに学校に向かってみました。
三階建ての立派な建物ですが,中は,まるで爆撃にもでもあったかのようにぐちゃぐちゃのままで,壁の損傷も遠くから見た以上にひどい状況だと分かりました。
恐らく,水の勢いがここでせき止めらるので,様々な瓦礫が校舎にぶつかったのでしょう。

門脇小学校


校舎の壁


「中には入るな」という趣旨のテープがぐるっと張られていますが,外から見ただけでも,そのひどい様子がよく分かり,思わず言葉につまります..



16:44:19 | dk | No comments |

27 September

出張の合間に:東北編(2012年9月)その5

日和が丘には,海外からの観光(?)もちらほら訪れているようですが,眺めのいいところだけ見て回って引き返して行く人が大半でした。
ちょっと残念ですが,海岸まで行ってみようと思う人は意外と少ないです。

さて,大半の人は目もくれないようでしたが,よく見てみると石川啄木の詩があったりします。

石川啄木


砕けては またかへしくる 大波の
ゆくらゆくらに 胸おどる洋

この詩を詠った時には,普通の大波が押し寄せている時に違いなく,啄木にも今の状況は想像がつかなかったことでしょう...



23:31:40 | dk | No comments |

26 September

出張の合間に:東北編(2012年9月)その4

日和が丘を裏手から登ったせいで,鳥居をくぐる前に鹿島御児(かしまみこ)神社に到着してしまいました。
右手には,沢山の折り紙も。

鹿島御児(かしまみこ)神社


鳥居とその向こうに広がる海を見ると,震災のことを暫く忘れてしまいそうです。

鹿島御児(かしまみこ)神社の鳥居


鳥居は,見た目以上に大きく,カメラを持つ多くの人がその前で足を止めるようです。

鳥居の前で写真を撮る女性


そして,海を見るようにして左手,東側へと少し歩くと,旧北上川の中瀬が見えるのですが,ここも,大きな建物を除き,津波で流されてしまっていることが分かります。

中瀬とその昔の写真


一年半という年月の間に,草で結構覆われてしまい,以前の姿を知らない人にとっては,比較する写真がないとなんとなく以前からそうだったような景色に見えてしまいます。
しかし,比べてみると,建物の数の違いは歴然としています...


19:36:34 | dk | No comments |

25 September

出張の合間に:東北編(2012年9月)その3

随分遠回りをしたものの,地元の人以外は,まず見ることのない地域を暫く歩き,一旦駅へと引き返します。
最近運動不足なせいで,すでに少し疲れてましたが,まぁ,なんとかなるでしょう。

石巻駅


石巻駅を眺めていると,なんとなく,一足早く秋を迎えているような感じがします。


さて,案内所で無料の地図を入手し,ここから海へと向かうのですが,駅から一分も歩くか歩かないか,というところに,以下のような案内が...

ここまで浸水


標高は分かりませんが,いったいどれ程広範囲に水没したのか,想像がつきません。

長い階段を登って行くと,間もなく羽黒山公園にある鳥屋神社(とやじんじゃ)に到着します。

鳥屋神社


簡単にお参りを済ませ,今度は下り坂。
そういえば,なんとなく見覚えのあるような鉄塔が...

羽黒山公園から見た海側


海を一望できる日和が丘(写真右手)まで,もう少しです...



20:44:06 | dk | No comments |

24 September

出張の合間に:東北編(2012年9月)その2

秋田で会議を済ませ,駅ビルの中で普通の食事をさくっと済ませると,18時の列車で再び仙台まで逆戻り。
もっと地元の料理を頂きたいところですが,仕事で来ているので,贅沢は言えません。

相変わらず外はどんよりとしていて,曇りか雨。
仙台に到着した時も,小雨が降ってましたが,傘をさしていない人もいる程度の雨で助かりました...

仙台で二日間の学会(シンポジウム)に参加したのですが,自分の発表はゼロ。
普通,出張する場合は自分で発表するものですが,喋るネタのない私の今回の仕事はシンポジウムのオーガナイザーと,発表する学生の採点。
まだまだ自分が採点される側の身で,採点する側なんて全く以ておこがましいのですが,学会活動を支える一環として,自分に与えられた仕事と割り切るしかありません。
オーガナイザーの仕事も,同じくオーガナイザーの先生方お二人に,おんぶに抱っこ,状態で,自分が座長の時には発表者の一人が急遽欠席!,という事態も発生。
久しぶりに,惨憺たる自分の姿を見ましたが,これもまた経験でしょうか。


さて,仕事が終了した金曜日の夕暮れ時,一旦駅の観光案内へと向かいます。
震災から1年半が経過していますが,復興が遅れている地域で,仙台から日帰りが可能な場所を尋ねると,石巻と気仙沼を紹介して下さいました。
気仙沼は,バスの本数も少なく遠いため,今回は諦めて,片道一時間半で行ける石巻へ向かうことに。
時刻表を頂き,バス停の場所も教えて貰って,三泊目となるホテルに戻りました。


翌朝一番のバスは,仙台駅前が 6:47。
10分前に行けば座れるだろう,と高をくくっていたら,なんと40人くらいの列!
どうにか乗れましたが,始発が満席で補助席も全て埋まっていました。
格好から,ボランティアの方も含まれていそうです。

仙台から石巻に向かう高速バスは,海から離れた三陸自動車道を使うこともあり,海を見ることができません。
うとうとしている間に,バスは高速を降り,石巻市内を通りながら駅に到着。
ここで降りれば良かったのですが,終点のターミナルまで行き,目指す先も間違えて,暫くは内陸側をブラブラしました。

北上川は,なぜか「旧」の文字がついているようですが,川幅もそこそこ広くて,日本の中では川らしい川でしょう。
3.11 の際は津波がここを逆流して反乱した,というのが,イメージ出来ません。

北上川


行き先を間違えた関係で,普通の観光客が全く来ないような瓦礫の収容所や仮設住宅を見る事ができました。

瓦礫の収容所


恐らく,東京ドームよりもずっと広い敷地が,袋詰めの山や廃車で敷き詰められています。

途中で目的地を間違えたことに気づき,予定外の場所を朝から歩き回ってしまいましたが,首都圏で同じ状況が発生すると,仮設住宅を作る敷地すらなく,一体どうなるんだろう...と考えずにはいられませんでした。




21:42:05 | dk | No comments |