Archive for 20 March 2011

20 March

地震後,ABC News の報道は...

ここ暫く,海外のニュースは少ししか見ていませんでした.
11日以降の ABC World News の podcast を一通り見てみたのですが,日本と同じく,1週間は special edition としてトップニュース扱いでした.
しかし,その伝え方と内容は,日本とは色々と異なっているようです.

まず,Disaster in the Pacific という形で,地震に関しては,太平洋でおきた災害として伝えています.
アメリカの西海岸まで津波が押し寄せているので,ある意味当然でしょう.
また,11日の時点から,日本の原子力発電所で起きた問題に関して,予想される最悪のシナリオを解説しています.
その一方で,対岸の火事とは言えない,という意識もつよく,米国内の原子力発電所の安全性や,福島原発からの放射能がアメリカまで届く可能性についても早いうちから取り上げています.
地震対策については,日本が世界で最も進んでいますが,リスク管理については,残念ながら遅れをとっています.

被害や支援活動の詳細は,日本ほど詳しくは伝えていないようですが,原子炉が受けたダメージについては,第何号炉の燃料棒は30%が損傷したと考えられる,のように,定量的な解説しています.
日本では,自信のない数値は極力出さない傾向にありますが,データ分析重視の欧米では,推測においても数値データがよく出てきます.

避難区域を 80km(50マイル)とした点についても,自国で同じ区域を指定した場合,その範囲に入る大都市が少なくないことも取り上げていました.

専門家の意見も幾つかあるようですが,原子炉の損傷については,日本政府や原子力安全・保安院が国内向けに報道している内容と食い違っている点も,確かにありそうです.

ABC News も,TOYOTA 車の安全性に関する報道では行き過ぎも指摘されており,100% 信用するのは考えものですが,NHK が紹介する海外の報道に関しては,ABC News の報道を一部取り上げており,信頼性は比較的高いと思われます.

原子炉の損傷の程度を正確に把握できるようになるのは,冷却作業が順調に行っても相当先の話になるでしょうから,現時点では誰にも十分把握できていないのでしょう.
しかし,保安院の web では定量的に説明している部分も少なくない一方で,TV の会見では歯切れの悪いことが多く,聞き手にとって印象が悪いのは否めません.


ちなみに,決死の覚悟で冷却にあたるミッションには,suicide mission (死を覚悟の作戦)という言葉が使われています.
今後のシナリオが,最悪の状況から脱することを願っています...


18:03:50 | dk | No comments |

日本の救世主

午前0時から放映された東京消防庁の会見を見ました.

涙が出そうです.

抜かりのない準備,状況把握,計画の再構築,強い放射線に立ち向かいながらの非常に難しいミッション...政府も努力しているのは認めますが,比べ物になりません.

心より感謝致します.


00:42:02 | dk | No comments |