Archive for 16 November 2010

16 November

福山で 途中下車して - その1

日本の宇宙開発事業に大きく貢献し,昨年の夏に他界された先輩が,生まれ故郷の福山に眠っています.
もしかすると,眠らないで,宇宙空間を自由に飛び回っているかもしれません.
先週末,自分の実家の広島に帰省する際,その先輩のご両親を訪ねて福山に立ち寄りました.

お電話で予定を伝えてあったのですが,1週間程前に確認の電話を入れたところ,お母様のご都合が悪くて,お父様がご案内下さる,とのことでした.
なんと,お母様のそのお母様(だったと思います)が少し前に他界され,その49日の準備が控えていたのだとか...!


福山に到着したのは,朝の9時半過ぎ.
新聞を手に待っている,と伺っていたので,改札を出た所で探すと,すぐに分かりました.
御挨拶を簡単に済ませ,話をしながら荷物を駅のコインロッカーに置いて,タクシーでお寺まで.
5分程で到着したでしょうか.

途中で花屋さんに寄ろうと思っていたのですが,お住まいからお寺まで近く,お母様が毎朝花を生けにいらっしゃるそうです.
手を合わせて間もなく,何だったか話しかけられて,再び立ち上がってお喋り.

歩いて10分か15分ほどで,小学校に沿って歩き始めたと思ったら,いきなり到着.
ご両親のうちは,小学校のほぼ正面なので,次回お邪魔した際には,迷わず来られそうです.

お邪魔してすぐ右手の畳の部屋に案内されると,先輩の,恐らく30代の頃とおぼしき写真が飾ってあって,その廻りには写真やお供え物,そして,人工衛星の模型等,様々なものがところ狭しと並べられていました.
飾ってあるスケッチのような絵は,やはり先輩が描いたものだそうです.
年賀状一つとっても,手間暇かけているのが分かるのですが,そういう苦労を苦労と思わない人だったなぁ....と改めて思い出されます.

話をしているうちに,繰り返し聞く言葉に気付きました.
「一人っ子だったから...」

先輩の人柄の良さが,教師をなさっていたという優しい目をしたお父様の性格を引き継いだものだったんだなぁ,ということも分かってくると共に,かけがえのない大切な一人息子を亡くされたのだなぁ,ということが,お父様の笑顔の中から伝わってくるようでした...


23:10:59 | dk | No comments |