Archive for December 2008

18 December

近くて遠い,あと一歩

竜王戦の最終局,勝利の女神は何度も首を振りつつ,最後は若い竜王に微笑みました.本当に,最後は劇的な幕切れでした.

渡辺竜王は,3連敗からの4連勝.
羽生名人にとっては,本当にあと一歩,ということで,大きな大きなチャンスを逃すことになりました.

それにしても,あと一歩,という言葉は,将棋の中から生まれた言葉の一つだと思いますが,言い得て妙,とはまさに今回のような勝負をいうのでしょう.

羽生さんが再び竜王に挑戦するのは,来年か,はたまたその先か,分かりません.
いずれにせよ,羽生さんにとっては「今後も頑張れ」という天からの厳しい声のように聞こえているかもしれません...


19:41:42 | dk | No comments |

17 December

第21期竜王戦七番勝負の行方は...

七番勝負もいよいよ最終局.
羽生さんが勝てば永世七冠という初の偉業,渡辺竜王が防衛すれば,竜王連続5期となり,やはり永世竜王となります.
どちらが勝っても初の永世竜王,ということもあって,世間の注目は否応無しに集ります.

最終局は,改めて振り駒によって先手後手が決められますが,先手をとったのは羽生さんでした.
これまで,先手後手を交互に指していたのが,ここでひっくり返り,羽生さんに運が残っているような気もします.

序盤戦,前局と途中までは同じ進行となり,お互いに王・玉を囲わず,端歩も突かず,戦いに入りました.
心理的には,渡辺さんが少し作戦勝ちをしているかもしれませんが,途中から新たな局面となり,いわゆる力戦形に突入.
どちらがリードしているのか,私には分かりませんが,自分が対局者であれば,後手の渡辺竜王を持ちたい雰囲気です.

千日手にならない限り,明日の夕刻には勝負がついているでしょう.
運命の女神はどちらに微笑むか,見応えのある勝負が続きます...


20:09:49 | dk | No comments |

11 December

勢いに乗る竜王 vs 苦悩する名人

竜王戦の第6局は,渡辺竜王が勝ち,3勝3敗のタイスコアに.

周囲には,羽生さんに永世竜王を期待するムードも少なからずある一方で,勢いは,明らかに後から連勝して追いついた渡辺竜王にあります.

今回の第6局は,羽生さんが先手で,自分が指し慣れた序盤からスタートしましたが,渡辺さんの変化球に,羽生さんが打ち取られた感じです.
精神的なダメージがどれほどあるのかは分かりませんが,羽生さんとしては,精神的な面で自分自身に負けてしまったような,そんな敗戦だったのではないでしょうか.

次回の第7局は,泣いても笑っても竜王戦の最終局.
いい勝負が見られることを期待しています!


21:41:28 | dk | No comments |

05 December

羽生さんのチャレンジ

竜王戦の第5局,渡辺竜王の連勝となり,舞台は第6局の新潟へと移ることになりました.

中盤から優勢を築いたと思われる渡辺竜王が,その差を維持して攻め切った,と言えそうです.一旦は,大駒を全て後手(羽生さん)に渡しながらも,早さで僅かに勝っていたようです.

今回は,羽生さんが優勢と思える場面は,一度もなかったように思われます.
しかし,途中で渡辺竜王が一つでも対応を誤れば逆転していたかもしれない,そんな攻防を見られました.タイトル戦で冒険をするのは勇気がいることですが,7番勝負の中で,何かを開拓しようとしていた感じも見受けられます.

それにしても,時間の使い方も勝負の一つだと,今回の勝負をみていて,改めて感じます.時折,棋譜を見ては,「この手に何分使ったか?」を確かめる棋士は,今回のような持ち時間の長いタイトル戦では多いようですが,時間の使い方をチェックするのも,作戦のうち.
奥が深いですね,全く...


20:16:25 | dk | No comments |

04 December

奥の深い相矢倉

竜王戦七番勝負第5局,和歌山県は,白浜という景色のいい海岸の傍で開かれました.今日は,中盤の難しいところで渡辺竜王が封じ,明日の今頃には決着がついているでしょう.
白浜,一度訪れてみたいと思える場所ですね.

今回は,非常に伝統的な相矢倉の戦いで,途中までは過去に数多くの場面も登場する駒組ですが,渡辺竜王がやや強気の手を指しているように思われます.
後手は,今の時点では駒得をしていますが,守りの弱い部分もあり,勝負の行方は全く分からない,といったところでしょうか.

私が将棋を覚えたての頃も,振り飛車よりは矢倉をもっぱら採用しました.
飛車を振る将棋は,それはそれで面白いのですが,覚えておくべき定石も多く,記憶力の悪い僕にはあまり向いてないようです.

矢倉は,プロアマを通じて広く用いられていて,しばしば似た場面が登場しますが,その一方で,全く同じ手順で終わることも,まずないといってよいほど,途中からの変化に富んでいます.
どちらが勝つのか予想出来ませんが,明日の展開が楽しみです...


19:34:22 | dk | No comments |