Archive for 08 January 2008

08 January

尾生(びせい)の信

1〜8まで並んでいた芥川龍之介全集を,何年か前にまとめて購入し,少しずつ少しずつ,読んでいます.
まだ,No.3 を読んでいるところで,全てを読み終えるには,まだまだ時間が掛かりそうですが,気になった小説を少しずつ取り上げてみたいと思います.

タイトルの「尾生の信」は,わずか4ページという短いもので,読むスピードが遅い僕ですら,通勤電車の中で読み終えることが出来る数少ない小説の一つでしょう.このわずか4ページの中に,「が,女は未だに来ない。」という一節が7回登場します.そして,女を待ちわびて亡くなってしまい,幾千年の後に魂となって今の龍之介に宿っている,という筋書き.どこかで聞いたことのあるような話だが,以前聞いた話が,この尾生の信だったのかもしれません.

短い小説,というと,中学生の時に図書館にあった本を片っ端から読んだ星新一の作品を思い出します.当時(そして今でも?)国語は好きではなく,読書も元々好きではなかった僕が,唯一と言っていいほど抵抗無く夢中になった作家.彼のショートショートがきっかけで,僕自身の HP に shortstory のコーナーを設けたくらい...

PCばかり見てないで,少しは日本の文学にも触れる時間を作りたい,と思って,今後も少しずつ,彼の作品を読んで行こうと思っています.


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