Complete text -- "出張の合間に:奈良編(2011年8月)その5"

19 August

出張の合間に:奈良編(2011年8月)その5

薬師寺の和尚さん,みなさんが話上手なのかどうかは分かりませんが,金堂で暫くお話をして下さった方は,ある意味で「名物」のような方でした.

話を始めるとすぐに,「遠くから来たという方?」と集った人達(25人くらい?)への問いかけが.
関東から来ている人は少なそうだったので,手を上げて「神奈川県から」と自己申告.やはり,大半は奈良県かその近隣の方のようでしたが,広島から訪れた方もいたようです.

そして,「奈良県の代表的なお寺を一つ挙げて下さい!」という質問をし,前の方に坐っているある方が,「法隆寺!」と答えました.
すると,待ってました!,とばかりに,

「...法隆寺は確かに有名ですね,はい.ところで,皆さんは今,誰の前でお寺の名前を挙げていると思います?...私が言いたいことは,もうお分かりですよね♪...それではもう一度お尋ねします,奈良県で有名なお寺を一つ挙げるとすれば?」

「薬師寺〜♪」

と全員で大合唱!.
もう,すっかり集った人達の気持ちを掴んでしまったようです.

それから後も,例えば,東塔の写真を見せて,「この塔は,何重の塔でしょう?」という質問も.
知らないと「六重塔」と答えてしまいそうな東塔は,"もこし" と呼ばれるスカートのような屋根があり,実際には「三重塔」として知られています.
私も,事前に案内を見て知ってはいたのですが,集った方もさすがにこの質問には始めから正解を返していました.
すると,一通り説明した上で,「皆さん,くれぐれも誤解(五階)のないように!」と今度は「目」で話しかけ,あくまでウケを狙ってきます...

下手な漫才聞いているよりよっぽど面白いなぁ,なんて言うと失礼ですが,奈良のお坊さんは,侘び寂びに重きをおく京都のお坊さんよりも「にぎやか」なんだとか.
東日本大震災にむけた援助として,ちょっとした「セールストーク」もお話しされていました.

最後は,少し真面目な話で締めくくり.
それは,...

「自分だけのために祈るのではなく,家族,親戚,今隣にいる方,震災の被害を受けた方,...そういった方々みんなのためにお祈りしましょう!」

といったもので,なるほど,とてもいいお話を聞かせて頂きました.

外はとても暑いのに,この金堂の中は,時々風が通り抜けるせいで,意外と心地よく感じます.
歴史的な建物には,少なからず温故知新が詰まっているような気がします.


さて,残りの景色を少し...

西塔
西塔

南西側から見た金堂
南西側から見た金堂

金堂の北側
北側から見た金堂


一旦,北受付を出て,その先にある大唐西域壁画殿へ.

大唐西域壁画殿



ちなみに東塔は,この夏の終わりから解体大修理が始まるとかで,期間も10年が予定されているそうです.

すっかりお腹も空いてしまいましたが,楽しくて有意義なひと時でした...


23:15:00 | dk | |
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